消防署員ワークショップ
−さいたま市消防本部管理者研修:知的障害のある人を理解するために
■日時:2003年、1月16,23,2/13,20,3/13,20計6回
■報告:
1.知的障害とはどんな障害なのか
ハンドブックを元に。
2.ビデオ「おはよう日本」から
3.熊谷保険金放火殺人事件を知っていますか
13〜14年前の事件。養鶏場で雇われていた夫婦が巻き込まれた。妻は焼死、夫は大やけど。
当初は夫が、世話になっている身近な人物が犯人が灯油をまいたと証言したが、身内等による説得でガスコンロの不始末と証言を変えた。→行くところがない。そうすることで今の暮らしを続けられる。
11年後証言能力再判定などを含む再捜査中。→現在東京で暮らす。
障害があることを認めたくないという人たちも存在する。しかし、知的障害が軽いと思われる人でも、何かあったときの支援、人に沿った支援が必要である。
4.知的な障害のある人の生活
アンケートの中から
ビデオ、海苔工場、スワンベーカリー、グループホームなど。
今までの発想・・・訓練してできるようになったら仕事につく。
新しい発想・・・仕事をしながら覚えていく。
→ジョブコーチの役割(教えるのではなく一緒に考えながらやっていく)
5.災害弱者に対する研究から
≪病院との連携≫
緊急時、危険な状態であるにも関わらず、知的障害があるということで受け入れてもらえずたらいまわしにされる事が少なくない。身近な場所に、受け入れてもらえる医療機関が欲しいという切実な思いから、済美養護学校では、学校から1.5キロのところにある総合病院にカルテボックスを設置し、子どもたちの主治医のカルテを置いてもらい、緊急時にはそのカルテをもとに対応している。
≪災害弱者への防災対策についての調査≫
知的障害をもつ人は、事故や災害時、自分の状況を訴えることが難しいということを理解して欲しい。
施設以外で、障害をもつ人がどこに住んでいるか、またどんな特性を持っているのか知って欲しい。プライバシーの問題等もあるけれども。
災害弱者に対する対策の対象として、知的障害者も少なからず含まれるという結果が出ている。阪神大震災がきっかけになった。
6.誰にでもある人権と権利を守るために
≪人権と権利≫
「人権」とは、これ以上侵されてはならない人間としての最低限の権利。全ての人に当てはまる権利。人権意識→他者が権利を侵害されたとき怒り、主張し、訴えていく意識。
「権利」とは、最低限ではない、プラスの権利。一人一人の権利。「私」が実現できる権利。
今までは、マイノリティー(社会的少数派)の人たちは、人権という最低限の権利の中でしか生きられなかったが、これからは、その人が実現したい権利を保障していくという流れがある。権利意識→自分の存在を尊重し、自分を生かしていきたいと思う意識。
≪医療モデルと社会モデル≫
1983年から障害者に対する理解が180°変わった。健常者を基準とする「医療モデル」から障害者を基準とする「社会モデル」へ。
1980年WHO(世界保健機構)の国際障害分類は、障害を能力の低さで捉えた消極的な見方が批判され、2001年、障害の有無に関わらず全ての人は「健康状態である」という考え方の改訂版が出された。
≪セーフティネットの必要性≫
障害者と地域生活支援の間に3層構造を作る。
第3次権利擁護(システムとしての:裁判、地域福祉権利擁護事業、成年後見制度)
第2次権利擁護(個々の事例としての:警察官、消防・救急・教師、親、福祉関係者など身近な支援)
・・・今回(2/13)の研修はこの部分。
第1次権利擁護(自分自身で権利を守る)
消防署員の方から出された質問
1)手帳の判定については、関わる側が、ご本人の動作等を見て判断できるのか。手帳には書かれているのか。
・・・見ただけではわからない。手帳には等級は書かれているが、どんな不自由さがあるかについては書かれていません。
2)養護学校での訓練の際、主に先生方対象に消火の指導を行ってきたが、セルフアドボカシー(自分のことは自分で守る)とあったが、火災時、自分で消火することもできるのか。
・・・難しい人は多い、指導してもらえば可能な人もいるのでは。
火災を出さないための工夫も必要ですね。